振り返り3:入院・手術のこと

2010年1月:
「根治的腎摘除術」を受けるために入院。しかし、自分の場合、あくまでも症状緩和=出血を止めるための手術であり、これで根治出来る訳ではない。と説明の時に担当医に言われた。

入院1日目:
前年10月に6日間だけ入院した時と同じ部屋のしかも同じベッド。摘出する腎臓とすぐ近くの肝臓が癒着してないか調べるために腹部エコー検査。

入院2日目:
貧血が進んでおり(ヘモグロビン 8.0 g/dl)、手術で出血があった時に心配なので、という事で「照射赤血球濃厚液」を輸血。大した量ではないが2時間くらいかけて点滴。

入院3日目:手術前日でいろいろ。
・前日に引き続いて輸血。同じ量を倍の4時間くらいかけて点滴。
・輸血の途中で理髪室の人が来て大体首から膝まで毛剃りをされる。
・実家から両親が来て、担当医から手術の詳しい説明を受けたり、同意書にサインしたり。
・手術室の看護師、麻酔医からもそれぞれ手術の説明があった。

入院4日目。手術。
・朝8時頃にシャワー〜手術着に着替えて手術室入り。
・手術台の上で、担当医に「私は誰?これから何の手術をするのか?」と聞かれてちょっと戸惑うが、患者取り違え等のミスを防ぐための儀式だと気づく。
・硬膜外麻酔。背中に局部麻酔〜チューブ挿入用の針を背骨の間に打つ〜麻酔用の細い管を入れる(で、ポンプで連続して麻酔薬を注入する)、のですが、「針はうまく入ったが細い管がうまく入らない」ので場所を変えてやり直される。
・左腕に点滴の針を入れて、全身麻酔。点滴に薬を入れて即効で眠らせる〜その後はガスで麻酔を維持する、という2段構えらしい。点滴に薬を入れます、と言われ、あー何だか目の前がぼけて来た、までは覚えている。

・手術中の記憶はもちろん無い。事前に担当医がかなり神経質になっていた周りとの癒着はなく、手術は2時間半で終わったとの事。で、腎臓+周り、は普通3〜400gのものだが、摘出物は1.2kg位あったそうだ。ちなみに、鳩尾から局部のすぐ上まで、へそは左によけつつ、真ん中をずばっと切って腹を「全開」されました。
・病院の手術フロア内の「回復室」で手術終了直後に意識が戻り、ちょっと様子を見てから病棟に戻される。元のベッドではなく、ナースステーション近くの2人部屋。

・左腕に点滴、背中に硬膜外麻酔、右脇腹にドレーン、尿カテーテル、鼻から胃液を抜く管、と5本の管が入っており、さらに酸素マスク、胸に心電図センサー、左手の指に血中酸素のセンサー、両足(ふくらはぎ)に血栓防止のマッサージ器が付いた状態。
・硬膜外麻酔がよく効いていて痛みはあまりなかったが、でもたまに腹がひきつるのが仰け反るほど辛かった。あと、胃液抜き管の鼻〜喉がえらく不快。
・頻繁に体温、血圧測定があったりもして、ほとんど眠れず。

入院5日目:手術翌日。
・朝一に酸素マスク、心電図センサー、血中酸素センサーは外れた。
・汗とか手術着のホックを無意識のうちに外しまくりでぐちゃぐちゃ。
・ベッドまで機材を運んでのX線撮影。

・なるべく動いたり、できれば立ったり歩いたりして腸を動かせ、って、お腹全開にした翌日からですか・・・。ベッドの背中部分を上げたり、看護師に支えてもらったりして何とか立ち上がる、まではしたがそれが限界。寝たままで横向きになるのもしんどいんですが。
・うがいは可能だが、飲食は止まっている。ガスが出れば水は飲めるそうだが、腹を大きく切ったせいか、ガスなかなか出ない。聴診器を当てても動きが弱い、とか言われる。

入院6日目:
・今日も立ち上がって、輸液、麻酔ポンプ、尿袋とか付いた点滴スタンドを押しながら病棟の廊下を2周歩くがそれが限界。

入院7日目:
・鼻から喉〜食道を通って胃に入っていた管を抜いてもらう。
・やっとガスが出た。ついでに、ベッドから立ち上がった途端に下痢が噴き出て床にぶちまけたり。ベッドの中でなくてまだよかったか・・・

入院8日目:
・水を飲んで良い、との許可が出る。
X線。今回は機材出張は無く、自分でエレベータに乗って地下の撮影室まで行かされた。

入院9日目:
・尿カテーテル、硬膜外麻酔が取れる。硬膜外麻酔はよく効いていて、くしゃみとかした時に腹がひきつる以外はあまり痛みはなかった。むしろ、ちょっと効き過ぎかもしれなく、麻酔を止めてもしばらく全身の皮膚の痛覚が鈍ったままでした。
・食事再開。まずは「流動食」からで、重湯と具なしスープ、あと牛乳とか果物ジュースとか。

入院10日目:
・昼から「五分粥食」になる。五分粥と、あとおかず、汁物は見た目普通の食事に近いが野菜とか肉とか細かく切り刻まれている。
・夕方に手術室から休み無く続いていた輸液が終了。左腕の点滴が取れる → ベッドの上で、右側に点滴スタンドがあったので管が体の上を横切っていて結構じゃまだったり、一度ジョイントが外れて輸液が漏れた事もあった。

入院11日目:
入院12日目:
・抜こう(切った跡を留めるホチキス針みたいなのを抜く作業)、あと脇腹のドレーンも抜けて体に入っていたものが全て取れる。
・昼食から「全粥食」になる。おかず等は普通の食事とほぼ同じ。

入院13日目:
・手術日の朝以来のシャワー。
・昼食から「常食」、普通の食事に戻る。

入院14日目:
・退院日が決まる。

入院15日目:
・手術で取り出したモノの「病理診断結果」の説明を受けた。淡明細胞癌だが一部肉腫様癌も居たり、G3>G2だったり、進行の早いタイプだと。

入院16日目:
・退院。
・尿潜血がずっと出ていたのが、手術後はさっぱり消えて、確かに見た目にも薄くなったのが自分でも分かる。
・INF-αの自己注射を再開。